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あの1枚からのレコード製作サービスではこれが使われている…… 約50万円で買えるレコード・カッティング・マシン「T560」

先日紹介した、アメリカのレコード・ショップ、Rabbitfoot Recordsのレコード製作サービス。1枚から製作可能ということで、かなりの反響を呼びましたが、その後いろいろ調べたところ、ドイツのSouri’s Automatenというガレージ・メーカー製のカッティング・マシンを使用している(らしい)ということが分かりました。このカッティング・マシン、現在でも購入可能で、その価格はシステムで4,000ユーロほど。もちろんすぐに使いこなせるものではないでしょうが、このマシンを購入して、カッティング技術を習得すれば、自宅で1枚からレコード製作を行うことが可能になります。かなり夢のあるマシンと言えるのではないでしょうか。

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Souri’s Automaten製カッティング・マシンは「T560」という型番で、様々なコンポーネントの組み合わせで成り立っています。Souri’s Automatenは、とりあえずレコード製作を始めたい人向けに「スターター・キット」を提供しており、このパッケージはカッティングのための機構とダイヤモンド針、1Uラック・サイズのRIAAエンコーダー/グルーヴ・コントローラー、220Vのパワー・サプライなどで構成。あとはSL-1200などのターンテーブル、キュー用のミキサー、レベル・メーター、ヘッドフォン、パワー・アンプ、削りカスを除去するためのバキューム・クリーナーなどを用意すれば、とりあえずレコード製作が始められるようです(もちろん、ブランクのレコード盤も必要となります)。

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「スターター・キット」の気になる価格は3,200ユーロで、Souri’s Automaten製のモデファイ・ミキサーとレベル・メーターはそれぞれ85ユーロ、280W×2のパワー・アンプは320ユーロ、バキューム・クリーナーは吸引器とポンプのセットで570〜620ユーロ。すべてSouri’s Automaten製のコンポーネントで揃えても、4,000ユーロ程度で済む計算です(ターンテーブルを除く)。

Souri’s Automatenは、他にも「T560」用のコンポーネントを多数用意しており、ヴィニール・オプティマイザー、収録時間を可能な限り長くするグルーヴ・ディスタンス・コントローラー、ワウ・フラッターを抑えるためのプレシション・プレートといったものを必要に応じて追加することが可能。いずれも良心的な価格設定なのが嬉しいところです。

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ブランク盤は10枚単位で販売されており、1mm厚の7インチ盤が10ユーロ、12インチ盤が20ユーロ、1.5mm厚の7インチ盤が25ユーロ、12インチ盤が35ユーロ、12mm厚の7インチ盤が28ユーロ、12インチ盤が39ユーロとなっています。その他にもCDサイズや8インチ、10インチ、14インチがあり、7インチのソノシートも購入可能。ソノシートは透明で、100枚で50ユーロとなっています。

わずか4,000ユーロで始められるプライベート・レコード製作。インディー・レーベルやレコード・ショップなどはこのシステムを導入し、Rabbitfoot Recordsのようにレコード製作サービスを始めれば、それなりに需要があるのではないでしょうか(1枚作るのにどれだけ時間がかかるか分からないので、利益が上がるかは分かりませんが……)。なおSouri’s AutomatenのWebサイトには、実際のカッティングの方法や、収録時間、カッティング後の音量などについてのFAQが掲載されているので、興味のある方はぜひチェックしてみてください。

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Souri’s Automaten

http://www.vinylrecorder.com/

YouTube: VINYLRECORDER T-560

http://www.youtube.com/watch?v=K_FA66mBoAk

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ICON: 12インチ・レコード50枚を約36,000円でプレスできる、Ofmvinyl「miniminimini pack」が登場

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