WORLD SYNTHESIZER
WORLD SYNTHESIZER #17:世界中のシンセ好きが注目する小型シンセ、Lorre-Mill「Keyed Mosstone」が販売開始
Double Knotのヒットによって、その名が広く知られるようになったLorre-Mill。Will Schorreという人物が、アメリカ・ボルチモアで立ち上げたガレージ・シンセ・メーカーです。Lorre-Millが一昨年発売したパッチ式のエクスペリメンタルな電子楽器、Double Knotは世界中のアーティスト/シンセシストから賞賛され、昨年から今年にかけてニューヨークで開催された展覧会『Sonic Arcade: Shaping Space with Sound』(於・Museum of Modern Arts and Design)でも、新しい発想の電子楽器として展示されました(キュレーションを担当したのは、Robert Aiki Aubrey Lowe。他には、Make Noise Synthesizer for Two Coast、SOMA LYRA-8、Landscape Stereo Fieldといった楽器が選ばれました)。
そんなLorre-Millから、Double Knot以来となる大型製品が発売になり、世界中のシンセ好きの間で話題になっています。先日出荷が開始された「Keyed Mosstone」は、下部にタッチ・コントローラーを装備したパッチ式のシングル・ボイス・シンセサイザー。音源となるのは、三角波にノイズを付加した『MOSSオシレーター』と呼ばれるオシレーターで、その後段にはウェーブ・フォルダーも装備。上昇時間/下降時間を個別にコントロールできるファンクション・ジェネレーターも備え、下部のタッチ・コントローラーでは『MOSSオシレーター』のピッチやファンクション・ジェネレーターのループ、サンプル&ホールドなどをコントロールすることができます。もちろん、CV/Gate入力も装備しているので、外部のシーケンサー/キーボードを使って発音させることも可能になっています。
「Keyed Mosstone」の主な特徴は以下のとおりです。
- ウェーブ・フォルダーの前段で三角派にノイズを付加する『MOSSオシレーター』。ノイズの付加量は、ノブ/CVでコントロール可能
- 『MOSSオシレーター』は、コース・ノブ/エクスポネンシャル・ピッチ入力/リニア・ピッチ入力(アッテネーター付き)を装備
- 『MOSSオシレーター』の三角波とノイズ・ソースはそれぞれ出力することが可能
- 上昇時間/下降時間をノブ/CVでコントロールできるファンクション・ジェネレーター。サスティン・モードも搭載
- 3つの円/4つの長方形で構成されるタッチ・コントローラー
- 3つの円では、チューニング・トリムポットで設定したCVを出力
- 上の長方形と下の長方形は、バイナリー・ピッチ・キーボードとして機能。オクターブの範囲は設定可能
- 左側の長方形では、ファンクション・ジェネレーターのループをコントロール
- 右側の長方形では、ノイズ出力やサンプル&ホールド、トラック&ホールドをコントロール
「Keyed Mosstone」の価格は535ドルで、Controlをはじめとする北米のショップでは既に販売が開始されています。一度売り切れると次の生産まで時間がかかるのが常なので、気になる方は早めにチェックした方がいいかもしれません。