DAW & PLUG-IN
孤高のオーディオ・アライメント・ソフトウェアVocALignが「ReVoice Pro」として進化!
あのVocALignで一世を風靡した英Synchro Arts社が、かなり久しぶりとなる新ソフトウェア「ReVoice Pro」のベータ・テストを開始しています。「ReVoice Pro」は、VocALignのフューチャー・バージョンという位置づけのソフトウェアのようで、これはかなり期待ができそうです。
知らない人のために簡単に説明しておくと、VocALignは読み込んだオーディオ・ファイルの“抑揚のタイミング”(Synchro Arts社は、“エナジー・パターン”と呼んでいます)を、別のオーディオ・ファイルを基準に自動で合わせ込む「アライメント・ソフトウェア」。たとえば、十数本のトラックで構成されるボーカル(コーラス)・ステムがあったとして、すべてのトラックが同じフレーズだったとしても、当然ですがボーカリストやテイクの違いによって、抑揚のタイミングは微妙に異なるわけです。それはどんなに上手いボーカリストでもそうですよね。そんなときもVocALignを使えば、特定のトラックの抑揚のタイミングに、他のトラックの抑揚のタイミングを完璧に合わせ込むことが可能なのです。
VocALignは、主に映画のアフレコ作業で活躍しているソフトウェアで、これを使うことによって、同録のセリフにアフレコのセリフを完璧に合わせ込むことができます。もちろん音楽制作においても、先ほどの例のとおり、膨大なコーラス・トラックのタイミングを揃えるのに有用なソフトウェアと言えるでしょう。
そして今回、ベータ・テストが始まったVocALignのフューチャー・バージョン「ReVoice Pro」には、主に以下のような機能が備わっています。
● オーディオ・パフォーマンス・トランスファー(APT)
読み込んだオーディオ・ファイルのタイミング/ピッチ/ラウドネス・キャラクターを、ガイドとなるオーディオ・ファイルに沿って合わせ込む機能。従来のVocALignの基本機能を、さらに進化させたものです。
● リアリスティック・ダブラー
簡単にダブル・トラックを作成できる機能。具体的には、1本のボーカル・トラックから、自然なダブル・トラックを作成することができます。この機能はDAWにロードしたプラグインと「ReVoice Pro」が連携することにより機能します。
● セリフやナレーションなどのトラックの抑揚を、別のテイクや他の役者が演じたトラックに沿って完璧に合わせ込む機能
YouTubeにはさっそく「ReVoice Pro」のデモ・ムービーがアップされていますので、ぜひご覧ください。
いかがでしょうか? 現時点では「ReVoice Pro」の発売時期や価格は明らかになっていませんが、VocALignの基本機能がかなり進化しているような印象を受けます。他に似たようなソフトウェアが無いだけに、「ReVoice Pro」にはぜひ期待したいところですね。
Synchro Arts