MUSIKTECHNIK

カシオ、デジタル・シンセサイザーの名機 CZシリーズをiOSアプリで再現した「CZアプリ(仮称)」を開発中!

デジタル・シンセサイザーの名機、カシオ CZがiOSアプリで復活! 今日から開催されている2014楽器フェア(於・東京ビッグサイト)で、カシオが開発中の「CZアプリ(仮称)」を参考出品しています。

CASIO - CZ app

「CZアプリ(仮称)」は、カシオ CZシリーズで採用されていたPD(Phase Distortion)音源をソフトウェア化したiOSアプリ。PD音源は、サイン波を読み出す際の位相角を歪ませることで様々な波形を作り出すことができるカシオ独自の音源方式で、その独特なサウンドは’80年代に一世を風靡しました。「CZアプリ(仮称)」は、8種類の基本波形と25種類の複合波形、合計33種類の波形の中から選択できるDCOを2基搭載。DCW/DCAも2基ずつ備え、CZシリーズの音作りの肝となるエンベロープ・ジェネレーターもすべてのDCO/DCW/DCAに搭載されています。もちろん、リング/ノイズ・モジュレーターやコーラス・エフェクトなども用意されています。

CASIO - CZ app
CASIO - CZ app

「CZアプリ(仮称)」の秀逸な点が、そのユーザー・インターフェース。パネルの色こそCZ風ではありますが、実機のデザインを単に再現するのではなく、iOSアプリとして非常に使いやすいユーザー・インターフェースに仕上がっています。例えばエンベロープ・ジェネレーターは、任意のDCO/DCW/DCAをタッチすると、拡大表示されて詳細にエディットできる仕組みを採用。指先でステップを追加して、簡単に角度や時間をコントロールすることができるので、かなり複雑なサウンドも作り出せそうです。

CASIO - CZ app

「CZアプリ(仮称)」の脇にはCZ-101が展示されていましたが、開発者の波多野佑亮さんによれば、ベロシティにも対応しているので、一番近いのはCZ1ではないかとのこと。とは言っても、実機のアルゴリズムがそのまま流用できたわけではないので、まだカシオに在籍しているオリジナルCZの開発者に話を訊きながら、すべてゼロから開発したとのことでした。

4パート・マルチ音源として使用でき、Inter-App AudioやAudiobusといった標準的な規格はすべてサポート予定という「CZアプリ(仮称)」。発売時期/価格は未定とのことですが、とても楽しみなアプリの登場と言えそうです。

CASIO - CZ app

カシオ計算機株式会社の波多野佑亮さん

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