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ローランド、内部構成を自由にカスタマイズできる新型デジタル・コンソール「O・H・R・C・A M-5000」を発表! REACだけでなく、DanteやMADI、SoundGridなどにも対応

ローランドが新型デジタル・コンソール、「O・H・R・C・A(オルカ) M-5000」を発表しています。

Roland - OHRCA M-5000

「O・H・R・C・A」は、ライブ/中継収録/設備向けのデジタル・コンソール。V-Mixing Systemの上に位置づけられる製品であり、ローランド初の中型デジタル・コンソールとなります。ちなみに「O・H・R・C・A」という名称は、“Open High Resolution Configurable Architecture”の頭文字からネーミングされたとのことで、あらゆる伝送フォーマットに対応する“オープン”、標準で96kHzのハイ・サンプル・レートに対応する“ハイ・レゾリューション”、そして内部構成を自由にカスタマイズできる“コンフィギュラブル・アーキテクチャー”という3つのキーワードを繋げたものとのことです。

Roland - OHRCA M-5000

「O・H・R・C・A」の最大の特徴は、内部構成(ミキサーとしての機能)を自由にカスタマイズできるところ。内部には128chのシグナル・パスが用意されており、それをインプット・チャンネルやAUXバス、アウトプット・バス、マトリックス・バスなどに自由に割り当てることが可能になっています。例えばFOHコンソールとして使う場合はインプット・チャンネルの数を多く確保し、モニター・コンソールとして使う場合は逆にアウトプット・バスの数を多めに設定することが可能。128chの範囲内であればカスタマイズに関しての制限はほとんど無いので、内部バスをすべてマトリックス・バスにするなど、極端な使い方も可能になっています。そしてこのカスタマイズに関しては、再起動することなく変更することが可能。現場でインプットの数が足りなくなったという場合でも、その場ですぐに対応できるとのことです。StageTec AurusやSSL Liveなど、これまでも内部構成を自由にカスタマイズできるコンソールは存在しましたが、そのほとんどが1千万円以上するハイエンド製品でした。「O・H・R・C・A」の価格は未定とのことですが、聞くところによると“普及価格帯”(200〜300万円?)で発売されるとのことなので、これはかなり注目を集めそうです。

Roland - OHRCA M-5000

また、V-Mixing Systemではローランド独自の伝送フォーマット:REACが標準で、同社のDigital Snakeと対で使う仕様になっていましたが、「O・H・R・C・A」では様々な伝送フォーマットに対応しているのもポイントです。本体にはREACポートが3基搭載されていますが、2基用意された拡張スロットにオプション・カードを装着することで、REAC以外の伝送フォーマットにも対応。「O・H・R・C・A」発表時点で、REAC、Dante、MADI、Waves SoundGrid、SDIに対応したオプション・カードの発売がアナウンスされています。これにより「O・H・R・C・A」のフロントエンドにDigital Snake以外の機器、例えばDante対応の入出力ボックスや、MADI対応のマイク・プリアンプなどを使うことも可能になります。

そして拡張スロットをフル活用した場合にスタンバイできる入出力チャンネル数は、96kHz時で300ch入力/296ch出力、48kHz時で460ch入力/456ch出力と、かなり余裕のある数となっています。これらの膨大な入出力はパッチベイを使って、自由にカスタマイズした内部ミキサーと自由にパッチできるというわけです。

Roland - OHRCA M-5000

その他、流行のフラット・デザイン表示のタッチ・スクリーン、5.1chのサラウンド・ミックス機能、16chのUSBオーディオ・インターフェース機能、外部機器からの制御に対応するGPIOの装備など、数多くのフィーチャーを備えた「O・H・R・C・A」。発売は来年2月の予定で、国内では19日から開催されるInter BEEで初めてお披露目されるとのことです。

Roland - OHRCA M-5000