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マルチ・バンド仕様の超・高機能サチュレーション・プラグイン、「RetroBand」がフリーウェアとなって復活! Mac/Windows両対応
そのむかし人気を集めたプラグイン、「RetroBand」がフリーウェアとなって復活! Michael Kingston氏のサイトから無償でダウンロードできるようになりました。
「RetroBand」は、アナログ機器のゲイン・ステージ回路とトランスフォーマー回路の相互作用によって生じる、サチュレーション・サウンドをモデリングしたプラグイン。このプラグインを使用することによって、シグナルに混変調歪み(IMD)とクラスA/B回路特有のクロスオーバー・ディストーションを付加することができ、サウンドに暖かみや柔らかさ、スムースさを与えることができます。「RetroBand」で得られる歪み成分は、多くのヴィンテージ・アナログ機器で生じるものです。
「RetroBand」は、独立した4つのプロセッサー(LowBand/2基のMidBand/FlexiBand)で構成されるマルチバンド・ディストーション/サチュレーターとなっています。各プロセッサーは、コントロール系は同一ですが、内部処理は微妙に異なっているとのこと。設定できるパラメーターは、向かって左から以下のようになっています。
● On/Off:プロセッサーのオン/オフを切り替えます。オフにした際はCPUパワーを消費せず、プロセッサーのUIに網がかかります。
● Solo:プロセッサーのソロのオン/オフを切り替えます。オンにした際は、他のプロセッサーがすべてオフとなります。
● Flip(LowBandのみ装備):より過激な歪みを生み出すFlipモードのオン/オフを切り替えます。
● Off/Emphasis/De-emphasis:ディストーションの前段に備わるトランジェント・シェイパーのモード(Emphasis/De-emphasis)と量を設定します。
● Gain:ディストーションの量を設定します。
● Frequency:ディストーションのピーク周波数を設定します。
● Noise:付加するピンク・ノイズの量を設定します。
● Q:ディストーションのピーク周波数の幅を設定します。
● Mid/Side:ディストーションのM/S処理の割合を設定します。いちばん左に回しきると、原音のステレオ感に近い処理となります。
● Dyn:ディストーションの後段に備わるトランジェント・シェイパーの量を設定します。
また、右側にはマスター・パラメーターが備わっています。
● On/Off:プラグインのオン/オフを切り替えます。
● Mono/Left/Right/Stereo:チャンネル・モードを切り替えます。Monoモードを選択した際は、左右のチャンネルがサミングされます。Stereoモード以外を選択した際は、各プロセッサーのMid/Sideパラメーターは無効になります。
● Dry:原音の量を設定します。
● Drive:すべてのプロセッサーのトランジェント処理の量を設定します。
● Off/Pull/Push:原音に対してのトランジェント・シェイパーのモード(Pull/Push)と量を設定します。Pullモードを選択した際は、トランジェントを強調した設定となり、Pushモードを選択した際は、プレーンなサチュレーションとなります。
● Mid/Side:ディストーションのM/S処理の割合を設定します。Stereoモード時のみ有効です。
このように、かなり高機能なサチュレーション・プラグインである「RetroBand」ですが、ファクトリー・プリセットも多数用意されているので、すぐに使用することができます。また、プロセッサーが2基で機能が限定された「RetroBand Lite」なるライト・バージョン(画像上)も用意されているので、ちょっとしたサチュレーションが欲しいときはこちらを使用してもいいでしょう。
「RetroBand/RetroBand Lite」は、Mac/Windows両対応で、プラグイン・フォーマットはVSTのみサポート。Michael Kingston氏のWebサイトから無償でダウンロードすることができます。