MUSIKTECHNIK

DAW上にCommodore 64のスピーチ・シンセサイザーを再現したプラグイン「VST Speak」がMacにも対応! Audio Units対応の「AU Speak」とともに無償配布中

少し前にリリースされ、一部で話題になったスピーチ・シンセサイザー・プラグイン「VST Speak」がバージョン1.3でMacに対応。Audio Units対応版の「AU Speak」もリリースされました。開発元のWavosaur SoftwareのWebサイトから、どちらも無償でダウンロードすることができます。

Wavosaur Software - VST Speak AU Speak

「VST Speak/AU Speak」は、1982年にリリースされた世界初の商用スピーチ・シンセシス・ソフトウェア、Software Automatic Mouth(SAM)をベースに開発されたプラグイン。Software Automatic Mouthは、Don’t Ask Softwareという会社が開発したソフトウェアで、Apple ][やLisa、Atari、Commodore 64用の製品が販売されました。「VST Speak/AU Speak」がベースにしているのは、Commodore 64用のSoftware Automatic Mouthですが、Softvoiceというメーカーが販売していたバージョンとのこと。そのSoftvoiceのソフトウェアを、Sebastian Mackeというプログラマーが、リバース・エンジニアリング/ポーティングしたコードをベースに開発されたとのことです。

「VST Speak/AU Speak」の使い方はシンプルで、上部のテキスト・フィールドに発声させたい単語や文章を入力し、右下の“SPEAK!”ボタンをクリックする(あるいはキーボードのReturn/Enterキーを押す)だけ。もちろんプラグインなので、ホスト・アプリケーション側からMIDIノートで音階をつけてトリガーすることもできます(ルート・ノートはC4)。テキスト・フィールド内の改行も、Shift/Ctrl+Return/Enterキーで可能。「VST Speak/AU Speak」には、標準で10種類のファクトリー・プリセットが付属しており、キャラクターの異なるさまざまな声を選ぶことができます。

また、下部の4本のスライダーを操作することで、発声のパラメーターを変化させることも可能。pitch(ピッチ・レンジ。デフォルトは64)、speed(発音速度)、mouth(口の大きさ)、throat(喉の大きさ)といったパラメーターが用意されています。さらに右側の“config”ボタンをクリックすることで、発声のセッティングを切り替えることもできます。いちばん上の“phonetic mode”は、単語を音素に分けてから発声させるモードで、単語の途中に数字を入れたりすることでアクセントなどをコントロールすることが可能。“phonetic mode”については、オリジナルSoftware Automatic MouthのWebサイトに詳しく記載されています。そして“filter on”はローパス・フィルターのオン/オフ、“sing mode”は単語ごとに適当に音程をつけて発声させるモードのオン/オフとなります。

「VST Speak」は、Mac/WindowsのVSTフォーマット(32bit/64bit)をサポートし、「AU Speak」はMacのAudio Unitsフォーマット(32bit/64bit)をサポート。「AU Speak」にはOS X 10.6/10.7に対応したバージョン(32bit)も用意されています。