MUSIKTECHNIK

予期しないフレーズ/サウンドを簡単に作り出せるユニークなNI Kontakt用ドラム・マシン、「Psychodrumma」が無償配布中…… 200種類のWAVファイルも付属

SzcZというポーランドのクリエイターが、Native Instruments Kontakt用インストゥルメント「Psychodrumma」の無償配布を開始しています。

SzcZ - Psychodrumma

「Psychodrumma」は、16ステップのシーケンサーを備えた9音ポリのドラム・マシン。最大の特徴は、読み込むサンプルや音色の設定、シーケンス・パターンをランダマイズできる機能を備えている点で、ユニークなサウンドやフレーズを簡単に作り出すことができます。

「Psychodrumma」は、9つの音源(パッド)を備えており、各パッドのセッティングは上部のエディタで設定することができます(1ページに3パッドが表示され、他のページは中央左側の「PAGE」ボタンで切り替え)。「Psychodrumma」には、200種類のサンプル(24bit/44.1kHzのWAVファイル)が付属し、各パッドに読み込むサンプルは、ディスプレイ右下の「SELECT」ボタンあるいは右側の「SOUND」ノブで選択することが可能。200種類のサンプルは、100サンプルごとA/B 2つのバンクに分類されており、バンクの切り替えは左下の「BNK」スイッチで行えます。

SzcZ - Psychodrumma

音色はパッドごとに細かくエディットすることができ、「SOUND」ノブの右側には、リバース(RVS)、チューン(TUN)、リリース(RLS)、パン(PAN)、ボリューム(VOL)、サチュレーション(SAT)、ビット・レゾリューション(BIT)、サンプル・レート(SRT)、ハイパス・フィルター(HP)、ローパス・フィルター(LP)といったパラメーターが用意されています。サチュレーション、ビット・レゾリューション、サンプル・レートといったローファイ系のパラメーターをパッドごとに設定できる点は、「Psychodrumma」の特徴と言えるのではないでしょうか。

各パッドの右側には、16ステップのステップ・シーケンサーが搭載されています。パッドごとにフレーズを設定できるほか、右下の「PAT」ボタンでプリセット・パターンを選択することもでき、また中央右側の「CLR/RND」ボタンでパターンをランダマイズすることも可能。各シーケンサーには、シーケンサーのオン/オフ(STRT)、シーケンス・モード(通常再生/逆方向の再生/ピンポン)の切り替え(MOD)、ノートの長さ(DUR)、再生スピード(RTE)、シーケンスの長さ(LEN)、シーケンスの前後シフト(SLE)、再生タイミングのディレイ(LAG)、「LAG」ノブのランダマイズ(RND)、ベロシティのランダマイズ(VEL)、ピッチのランダマイズ(PTCH)といったパラメーターが備わっています。そしてこのステップ・シーケンサーは、ホスト・アプリケーション(DAW)に同期できるほか、パッドごとにMIDIノートでトリガーすることもできます。

SzcZ - Psychodrumma

ウィンドウ下側にはマスター・パラメーターが備わっており、「Randomize all patterns」ボタンではシーケンサーのパターンを、「Randomize all settings」ボタンではパッドのパラメーター設定(バンク・スイッチ(BNK)を除く)を、「Randomize all」ボタンではシーケンサー・パターンとパッド・パラメーターの両方をランダマイズすることが可能。そしてその下の「DISORDER」、「CHAOS」、「CONFUSION-rate」という3つのパラメーターで、ランダマイズの加減を設定することができます。

フリーとは思えないすばらしい完成度のサンプリング・ドラム・マシン「Psychodrumma」。良いドラム・パターンが思いつかないときはもちろんのこと、単純にローファイ・ドラム・マシンとして使ってもおもしろいのではないでしょうか。「Psychodrumma」は、Native Instruments Kontakt 4以降で動作し、SzcZのWebサイトから無償でダウンロードすることが可能です。