Event Report

Maker Faire Tokyo 2012で見かけた、音系でおもしろかったもの(その1)

12月1日(土)と2日(日)の2日間、東京・台場の日本科学未来館で開催された『Maker Faire Tokyo 2012』(主催:株式会社オライリー・ジャパン)に足を運んできました。『Maker Faire Tokyo 2012』は、世界最大級のDIYの祭典『Maker Faire』を東京で開催するべく企画されたイベントです。昨年までは『Make: Tokyo Meeting』として開催されてきたこのイベントですが、今年は世界共通の名称『Maker Faire』を冠してリニューアル開催されました。

僕は昨日、仕事の合間を縫って2時間ほど滞在したのですが、もの凄い数の来場者で圧倒されました。コミケ・レベルの人の数で、通路を行き来するのも大変なくらい。2日目の今日はさらに凄かったようで、日本のDIY人口が増えているのか、一部マニアのイベントでは無くなりつつあるような印象を受けました。

というわけで、短時間しかチェックできなかったのですが、ここでは音系に絞っておもしろかったものをいくつか紹介することにしましょう。

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● バーグラフニキシー管オーディオスペクトルアナライザ

まずはコレ。Charonix Desihnm Works @ yuna_digickさん製作の「バーグラフニキシー管オーディオスペクトルアナライザ」。1960年代から70年代にかけて重用されていた表示放電管の一種、“ニキシー管”を使用したスペクトラム・アナライザです。“ニキシー管”は、オレンジ色のあたたかみのある発光が大きな特徴なのですが、その特性を活かした迫力のある仕上がりになっています。このアナライザでは、ロシア製のバーグラフニキシー管「IN-13」を112本(!)使用し、入力したオーディオ信号のスペクトラムを、86Hzから10kHzまで86Hz刻みで表示するとのこと。これでVUメーターを作ったら、もの凄いことになりそうです。

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● ミクの肩たたき

お次は道玄坂電子工作部さん製作の「ミクの肩たたき」。これはオーディオ信号のダイナミクスに合わせて、市販のマッサージ器のバイブレーションを変化させるというもの。オーディオ信号を解析し、マッサージ器をコントロールするのはArduinoです。

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● 演奏できるスーパーファミコン

ご存じnicobowさん製作の「演奏できるスーパーファミコン」。スーパーファミコンのコントローラーで、内蔵音源を演奏できるようにしたもの。コントローラーと内蔵音源のインターフェースにはArduinoを使用。「楽器の習熟には時間がかかるもの。それならばと、懐かしくも使い慣れたインターフェースで演奏できるようにしてみました」というのが開発コンセプトとのことです。

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● Ustream配信で使えるマイクアンプ&オーディオミキサー

とある電子工学研究部の元部員さん製作の「Ustream配信で使えるマイクアンプ&オーディオミキサー」。オペアンプを使用した非反転増幅回路と加算回路で構成されるオーディオ・ミキサー。かなり音質にこだわった設計になっているようです。

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● デカいミクさん

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● タッチ・パネルMIDIコントローラー

MOSAIC.GADGETさん製作のタッチ・パネルMIDIコントローラー。指で触れた部分が発光します。

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● ステレオスペクトラムアナライザ

これは超良かったです。あろえさん製作の「ステレオスペクトラムアナライザ」。秋月製の300円の液晶が使用されているそうですが、表示が高精細でヤバいくらいにきれいでした。オーディオ信号の解析と液晶の制御には、LatticeXP2 FPGAが使用されているとのことで、4,096点FFTを毎秒128回行うことで約64FPSという高速かつ滑らかな描画速度を実現しているとのこと。入力はアナログだけでなく、同軸のデジタルにも対応。また、オーディオ信号の解析アルゴリズムにも工夫が凝らされており、横軸のスケールは単純な対数ではなく、ラウドネスを考慮したスケーリングになっているとのこと。これにより、人間の聴覚が過敏になるスペクトラムが多めに(逆に人間の聴覚が鈍感な周波数は少なめに)表示される仕様になっているとのことです。とにかく美しいアナライザでした。

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● XBee S1を利用したMIDI伝送

エアーバリアブルさん製作の「XBee S1を利用したMIDI伝送」は、汎用の無線モジュール、XBee シリーズ1を使用したMIDIワイヤレス・システム。制御CPUを使用していないため、単4電池1本で動作するシンプルな回路となっているのが特徴です。

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● キャラクターLCDオーディオレベルメーター

同じくエアーバリアブルさん製作の「キャラクターLCDオーディオレベルメーター」。LCDを使用したレベル・メーターで、キャラクターは音符以外も選ぶことができます。

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● はちゅねみくのオルゴール付きランタン

同じくエアーバリアブルさん製作の「はちゅねみくのオルゴール付きランタン」。

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ちなみにエアーバリアブルさんのブースには、Cakewalk Professional が動作する東芝 Librettoが置かれていました。懐かしい!

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(与力があれば、その2をアップします……)