DAW & PLUG-IN

【台風17号縦断中】DAW上で、自由に風を吹かせたり雨を降らせたりできるプラグイン、「AudioWind/AudioRain」

現在、台風17号が日本列島を縦断中です。東京も、窓の外は暴風雨になってきましたが、そんな雨や風の音をリアルに再現できるプラグインがあるのをご存じでしょうか。

AudioGaming_AudioWind

フランスのAudioGaming社が開発した「AudioWind」と「AudioRain」は、DAWのオーディオ・トラックに、風の音と雨の音を付加できるユニークなプラグイン。このプラグインを使えば、楽曲の中で自由に風を吹かせたり、雨を降らせたりできるというわけです。まずはデモ・ムービーをご覧ください。

“こんなの、自然音のサウンド・ライブラリーを貼れば済む話じゃないか”と、思った人もいるかもしれません。確かにそのとおりですが、「AudioWind/AudioRain」はリアルタイムに風音/雨音を生成するので、貼り付けるライブラリーの長さを気にする必要がなく、5分でも1時間でも、好きなだけ風を吹かせる/雨を降らせることができます。

また、豊富なパラメーターが備わっているので、イメージに合う風音/雨音が作れる点も「AudioWind/AudioRain」の大きな特徴。たとえば「AudioWind」の方には、“GUSTS”というパラメーターが用意されており、突風が吹く頻度(笑)を細かく設定できたりします。もちろん各パラメーターは、DAWソフトウェア側からオートメーションすることも可能です。

さらには“randomize”という特別なボタンにより、パラメーターをランダムに設定することも可能。むろん、プリセットも100種類以上付属しているので、あらかじめ用意されたサウンドの中から選ぶというインスタントな使い方にも対応しています。

加えて「AudioRain」には、スレーブ・モードというモードが用意されており、同一のセッション/プロジェクト内の「AudioWind」とスレーブさせることも可能。スレーブするとどうなるかというと、「AudioWind」の風を強くすれば、「AudioRain」の雨も強くなるというわけです(笑)。風と雨を同期できる素晴らしい機能です。

AudioGaming_AudioRain

AudioGaming社のWebサイトによれば、「AudioWind/AudioRain」は、“D.O.S.E.(Dynamic Objects Sound Engine)”と呼ばれる革新的なサウンド・エンジンによって音を生成しているとのこと。詳細は不明ですが、この技術は「AudioWind/AudioRain」をはじめ、今後リリースされる同シリーズの製品の核になるものとのことです。

また、「AudioWind/AudioRain」は、厳密にはエフェクト・プラグインでもインストゥルメント・プラグインでもない、“VSTp”と呼ばれる新しいタイプのプラグインとのことです。“VSTp”の“p”は、“procedural(手続き上の)”の頭文字とのことで、これも“D.O.S.E.”同様、詳細については不明です。

実はこの類のプラグイン/ソフトウェアは他にも存在し、それらを知っている人にとっては特に目新しいものではないのですが、「AudioWind/AudioRain」はパラメーターが非常に充実しており、僕が知っている限り機能的には一番の製品だと思います。また、VST/Audio Unitsだけでなく、RTASに対応しているのも評価できる点と言っていいでしょう。こういうプラグインを欲しがるサウンド・デザイナーは、Pro Toolsユーザーが多いということをちゃんと理解しています。

とてもユニークなプラグインである「AudioWind/AudioRain」。価格はそれぞれ245ユーロ、バンドル・プライスは399ユーロとなっています。

AudioGaming: AudioWind AudioRain

http://www.audiogaming.net/audiowind-audiorain