Column
Apple、Mac Proへの投資を疑問視!?
Appleは現在、今後もフルサイズのデスクトップ型コンピューター(= Mac Pro)に投資するべきか、評価をしているとのことです。Apple Insiderが関係者の話として伝えています。
Appleは今年、現行のMac Proの改良版を一度開発したのにも関わらず、そのリリースを見送ったとのことです。そして現在、新世代のSandy Bridgeの登場を前に、今後もMac Proに投資すべきか社内で議論を重ねているとのことです。その背景として、今回の記事では、Mac Proのセールスが芳しくなく、もはやAppleにとってフルサイズのデスクトップ型コンピューターは有益なものではないということを第一に挙げています。実際、最新の四半期の業績をみると、Macの売上げの74%はノートブック型コンピューター(= MacBook Pro/MacBook Air)となっています。
また第二の理由として、フルサイズのデスクトップ型コンピューターの一番の特徴である拡張性に関して、Thunderboltインターフェースの普及によりiMacやMacBook Pro/MacBook Airでもその点がカバーできるようになったことを挙げています。実際、MagmaはThunderbolt接続の拡張シャーシのリリースをアナウンスしており、これによって近い将来、iMacやMacBook Pro/MacBook AirでもPCIeカードが利用できるようになります。
Appleは約1年前にXserve/Xserve RAIDの生産を完了し、Mac OS X Serverの最新版となるMac OS X Lion Serverのリリース時に、その価格を50ドルまで下げました。また数ヶ月前には、12コアのMac Proの定期出荷を停止しました。そしてFinal Cutに関しては、Final Cut Proの開発を終了し、ユーザー・インターフェースを刷新、機能を限定したFinal Cut Pro Xという新しいソフトウェアに移行しています。
このようにAppleは最近、プロシュマー・プロダクトに投じていた資源を、iOSデバイスをはじめとするコンシュマー・プロダクトに集中しはじめています。この流れから言って、フルサイズのデスクトップ型コンピューター市場からの撤退、イコールMac Proの生産完了は十分あり得ることじゃないかと思います。そうなると困るのは、Pro Tools|HDをはじめとするPCIeカードが必須のDAWシステムです。数年後には、業務スタジオでもMac mini+MagmaのThunderboltシャーシというスタイルになってしまうのでしょうか? またこの流れでいくと、Logicの今後も気になるところです……。
初出時、「Apple、Mac Proの開発を終了!?」という記事タイトルでしたが、少し過激なので、「Apple、Mac Proへの投資を疑問視!?」に変更しました。
Apple Insider: Despite new CPU options, Apple reportedly questioning future of Mac Pro