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Adobe製DAW、「Audition」が最新版のCS6でかなり強力に……なんとAvid EuConに対応し、VocALign的な機能も搭載

一昨日発表されたAdobeの新製品、Creative Cloud/Creative Suite 6。新たに提供されるCreative Cloudは、Creative Suite 6に含まれるソフトウェアをすべて網羅したサブスクリプション(課金制)・サービスで、Creative Suite 6は、PhotoshopやIllustratorといった製品で構成されるソフトウェア・スウィートの新バージョンです。もちろん、DAWソフトウェアのAuditionも、「Audition CS6」としてアップグレードされました。正直なところ、日本ではどれだけ使われているか想像できないAuditionですが、新しい「Audition CS6」は、かなり強力なDAWソフトウェアに仕上がっているようです。

「Audition CS6」の新機能は、「なんだ、そんな機能も無かったのか」というものから、「おおお、そんな機能が付いたのか!」とちょっと驚くものまで、多岐にわたっています。ここでは注目の新機能をピックアップして紹介してみたいと思います。

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● 1:EuConサポート

Mackie Controlプロトコルに加え、AvidのEuConプロトコルをネイティブ・サポートしたようです。ビデオ編集分野で競合している会社のプロトコルをネイティブ・サポートするとは太っ腹ですね。それだけ北米ではAvid Artistシリーズのユーザーが多いということでしょう。これによりAvid Artistシリーズから、Auditionの各種操作/ミックスを行うことが可能になりました。

● 2:オートマチック・スピーチ・アライメント

これはなかなか凄いです。SynchroArts VocALignのようなオートマチック・スピーチ・アライメント機能が搭載されました。これにより同録の音声とアフレコの音声のタイミングを簡単に合わせることが可能になります。Adobeは、映画の音響制作でのアフレコ・ユースをターゲットにしているようですが、音楽制作でのボーカル/コーラスのタイミング合わせにも活躍してくれる機能でしょう。

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● 3:スペクトラル表示で確認できるピッチ補正機能

「Audition CS6」では、プラグインに頼らずに、自動/手動でピッチを補正することが可能になっています。これだけだったら特筆すべき機能ではありませんが、「Audition CS6」では、オリジナルの音声とピッチ補正後の音声を「スペクトラル・ピッチ・ディスプレイ」で確認できるようです。実際にどのように表示されるのか分かりませんが、スペクトラル表示があるのと無いのとでは、ピッチ補正の値が微妙に変わってくるのではないでしょうか。

● 4:ラウドネス標準に準拠したボリューム・マッチング機能

音楽制作には必要ない機能かと思いますが、ラウドネス標準(ITU BS.1770-2)に準拠したボリューム・マッチング機能が搭載されました。これにより出力音を簡単にラウドネス標準に合わせることができるようです。

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その他にも多くの新機能が搭載された「Audition CS6」(詳しくはAdobeのサイトを参照してください)。Creative Suite 6から、波形編集ソフトウェアSoundboothが無くなったので、そのぶんより力が入ったバージョン・アップになっている印象です。「Audition CS6」は5月11日にリリースされ、単体発売のほか、Creative Cloud、CS6 Master Collection、CS6 Production Premiumといった製品に含まれるとのことです。価格は単体のパッケージ版が40,950円(税込)で、ダウンロード版は39,000円(税込)となっています。

アドビ システムズ: Adobe Audition CS6

http://www.adobe.com/jp/products/audition.html