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iZotope、スペクトログラム・エディターを搭載した同社初のソフトウェア・シンセサイザー「iris」を発表!!!

iZotope社は先ほど、同社初のソフトウェア・シンセサイザー、「iris(アイリス)」を発表しました。先日、iZotope社のWebサイトに新製品のティーザー・ページが開設されているとお伝えしましたが、その正体は同社初のソフトウェア・シンセサイザーだったようです。

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「iris」は、iZotope社のレストレーション・ソフトウェア「RX」のスペクトログラム・エディターをベースに開発されたソフトウェア・シンセサイザー。「RX」では、オーディオ素材をスペクトログラム(横軸で時間、縦軸で周波数、色で信号成分の強さで表すグラフ)で表示することにより、ノイズ成分の視覚的な除去を実現していますが、今回発表された「iris」では、そのスペクトログラムを使ってオシレーターとなる信号成分をピンポイントで抽出することが可能。つまりは読み込んだオーディオ素材の「ある一部分」だけを取り出してシンセサイズすることが可能になっているのです。もちろん、選択範囲は単純な円形や矩形だけでなく、多彩なツールを使って自由自在に設定することが可能。「iris」には、グラフィック・ソフトウェアのような(Photoshopのような)豊富なツールが備わっています。

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1つのインストゥルメントには3種類のオーディオ素材(サンプル)を読み込むことができ、それぞれにアンプ・エンベロープとLFOを設定することが可能。

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さらにはサブ・オシレーターも備わっているので、複数のオーディオ素材が組み合わさった重厚かつ複雑なサウンドを作り出すことが可能になっています。さらにはディレイ/リバーブ/コーラス/ディストーションといったエフェクトも搭載。「iris」だけでも表現力豊かなサウンド・メイクが可能になっています。

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先日来日したiZotope社のザック・ケニー(Zack Kenney)さんによれば、GForce社のスタッフがインタビューで発言していた「RXのスペクトログラム・エディターは凄い。あれをオシレーターにしたシンセサイザーがあればいいのに」というコメントをたまたま耳にしたことから、開発がスタートしたという「iris」。サンプル・ベースのシンセサイザーは星の数ほどありますが、スペクトログラム・エディターを搭載したシンセサイザーというのは、今までありそうで無かったのではないでしょうか。話を聞いただけでも何か“新しい音”が作れそうな気がする、大変ユニークなコンセプトのシンセサイザーと言えるでしょう。

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「iris」は日本では4月後半に発売される予定で、価格は「iris」が29,400円、専用の拡張ライブラリー「Glass」と「Wood」が付属する「iris+2」が31500円となっています。代理店のタックシステムによれば、発売記念のスタートアップ・キャンペーン価格も数量限定で用意しているとのことで、この場合「iris」が15,750円、「iris+2」が20,790円と、かなりオトクになっているもよう。iZotope社が満を持してリリースするソフトウェア・シンセサイザー、「iris」。とにかく早くその出音を聴いてみたいですね。

iZotope

http://www.izotope.com/

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