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Musikmesse 2016: 本物のEurorackとも連携できるソフトウェア版モジュラー・シンセ、Softube「Modular」が登場

今年のMusikmesse、シンセ系で注目の新製品と言えば、Softubeの「Modular」でしょう。

Softube - Modular

Softube「Modular」は、流行のモジュラー・シンセサイザーをソフトウェア化した製品。似たような製品はたくさんありますが、Softube「Modular」は本物のEurorackをモデリングしたモジュールが提供される点が最大の特徴です。実在のアウトボードやアンプなどのハイ・レベルなモデリングで定評のある同社ですが、Softube「Modular」でもプラグイン製品同様、回路/パーツ・レベルで実機の振る舞いをモデリングする技術“True Dynamic Circuit-Emulation”が採用されているとのこと。リリース時点では、DoepferIntellijel DesignsというEurorackの2大ブランドのモデリング・モジュールが提供されます。

Softube - Modular

Softube「Modular」では、空のパッチ上に任意のモジュールを配置して、自由にパッチングできます。ベーシック・バージョンには、Doepfer A-100シリーズをモデリングしたモジュールが6種類(A110-1 VCO、A-108 VCF、A-132-3 Dual VCA、A-140 ADSR、A-118 Noise/ Random、A-147 VCLFO)と、約20種類のユーティリティー・モジュール(MIDI to CV/Gate、Mixer、Sequencerなど)が付属。また、任意のパラメーターをコントロールするための“パフォーマンス・モジュール”も用意され、リリース時点では1パッチあたり最大100個のモジュールが使用できるとのことです。

さらにはモジュールは後から購入/追加することが可能で、現時点ではIntellijel DesignsのRubicon、Korgasmatron II、 µFold IIがオプション・モジュールとしてアナウンスされています。また、Softubeのシンセ・ドラム、Heartbeatのユーザーは、同製品のドラム・チャンネルやEQを単体のモジュールとしてSoftube「Modular」内で使用することが可能になっています。

Softube - Modular

Softubeと言えば、エフェクト・プラグインのメーカーというイメージが強いので、いきなりソフト版モジュラー・シンセを出してきたことに驚いた人もいるかもしれません。そのことを同社のプロダクト・マネージャー、ニクラス・オデルホルム(Niklas Odelholm)氏にぶつけると、「いや、ウチの社長(Oscar Öberg氏)は“シンセ・グル”で、Buchlaとかモジュラー・シンセをたくさん持っているんだ。だから前々からやりたかったことなんだよ」とのこと。最初のパートナーとしてDoepferIntellijel Designsを選んだことについては、「DoepferはEurorackを始めたメーカーだし、Intellijel Designsは凄く良いモジュールを作っているメーカーだから。現在、他のブランドとも話し合っている最中だよ」との答えが返ってきました。そして気になるのが、外部機器との連携です。本物のEurorackと接続できたら最高だと思うのですが、そのことを尋ねると「もちろんオーディオ・インターフェース経由で外部機器とも接続できるようにするよ」と言いながら、iPhoneでSoftube「Modular」と外部Eurorackモジュールが一緒に動作しているデモを見せてくれました。「リリース時点ではプラグイン版だけになってしまうかもしれないけど、スタンドアローン・バージョンの提供も考えているよ」とのことです。

まさに正真正銘のソフトウェア版Eurorack、Softube「Modular」。ベーシック・バージョンは2016年5月11日発売予定で、価格は99ドル。オプション・モジュールは1種類あたり30〜50ドルで順次発売予定とのことです。

Softube - Modular