Eurorack

NAMM 2016: E-mu ModularやSP-1200の生みの親、デイヴ・ロッサムが「Rossum Electro-Music」をローンチ! 開発中のEurorackをお披露目!

今年のNAMM Show、Eurorack関連の最大のニュースはあのデイヴ・ロッサム(Dave Rossum)が新たなブランドを立ち上げ、モジュラー・ワールドへの参入を表明したことでしょう。E-mu Systemsの創業者であるデイヴ・ロッサムは、E-mu Modularや伝説のAudity、Emulatorシリーズ、SP-12/SP-1200などの開発を手がけたこの世界のレジェンドの一人。デイヴ・ロッサムがAudityのために開発したチップが無ければ、Sequential Circuits ProphetシリーズもOberheim OBシリーズも完成が遅れたのではないかとも言われおり、マニアの間では“ポリフォニック・シンセサイザーの父”としても知られています。そんな偉人が“Rossum Electro-Music”なる新会社を立ち上げ、新開発のEurorackモジュールを4種類お披露目していました。

Rossum Electro-Music
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唯一フル・アナログ回路の「EVOLUTION」は、Moogタイプのラダー・フィルター・モジュール。元になっているのは、E-mu Modularの2100 LPFモジュールとのことで、フィルターのポール数を連続的に可変できる“GENUS”や、ラダー・フィルターへの信号の突っ込み具合を調整できる“SPECIES”といったパラメーターを装備。まさにE-mu Modularのサウンドのエッセンスが凝縮されたモジュールと言っていいのではないでしょうか。サイズは16HPで、このモジュールが一番最初に出荷される見込みとのこと。

Rossum Electro-Music
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2番目のモジュール「MORPHEUS」は、その名前でピンときた人も多いでしょう。E-muの音源モジュール、MORPHEUSのZ-PlaneフィルターをEurorack化したデジタル・フィルター・モジュールです。「MORPHEUS」は最大14ポールのフィルターを、様々なコンフィギュレーションで190種類以上(!)搭載。もちろん、別のフィルター・タイプへのモーフィング/トランスフォームにも対応しています。大型の有機ELディスプレイも装備。今春発売予定とのことです。

Rossum Electro-Music
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そしてブースで最も注目を集めていたのが「CONTROL FORGE」というモジュール。「MORPHEUS」同様、大型の有機ELディスプレイを装備した「CONTROL FORGE」は、デジタル回路のファンクション・ジェネレーターで、デイヴさんいわく「プログラム次第でこれまで難しかったCV信号も生成できる、かなり使いでのあるモジュール」とのこと。基本となるのは、可変時間やステージごとのCVレベルを自由に設定できる8ステージのファンクション・ジェネレーターで、ステージ間のカーブも67種類の中から設定することができ、さらにはプリセット・シーケンサーなども搭載。要するにファンクション・ジェネレーターのお化けのようなモジュールです。今春発売予定とのこと。

Rossum Electro-Music
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最後の「SATELLITE」は、「CONTROL FORGE」の兄弟モジュールで、プリセット・タイプのファンクション・ジェネレーター。「CONTROL FORGE」で作成したファンクション/シーケンスを読み込み、単体でCVを生成させることができるモジュールです。サイズは12HPで、今春発売予定。

往年のE-mu ModularをEurorackフォーマットで単純に復刻するのではなく、他のメーカーが出していないような斬新なモジュールを開発してきたのは、さすがはレジェンド:デイヴ・ロッサムという感じです。デイヴさんに「初期EmulatorやSP-1200のフィルターをモジュール化した製品もぜひ作ってください」とリクエストしたところ、「とりあえずこの4製品の市場の反応を見て、その後のことはそれから考えるよ」との答えが返ってきました。とにもかくにもRossum Electro-Music、大注目の新ブランドと言えるのではないでしょうか。

Rossum Electro-Music
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