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製品開発ストーリー #13:Universal Audio Apollo Twin USB 〜 遂にWindows対応を果たしたUAD機能搭載オーディオIF

昨年発売され、世界中で大ヒットを記録しているUniversal AudioのApollo Twin。高品位なマイク・プリアンプ/コンバーター回路に、プロの間では定番となっているUAD機能(DSPプラグイン機能)を融合した、新しいタイプのオーディオ・インターフェースです。そして先週、Apollo Twinのバリエーション・モデル、「Apollo Twin USB」が発表されました。「Apollo Twin USB」はその名のとおり、コンピューターとの接続インターフェースがUSBに換装されたApollo Twin。従来のApollo Twinの接続インターフェースはThunderboltだったため、Macプラットホームでしか使用できませんでしたが、「Apollo Twin USB」の登場によって、遂にWindowsプラットホームでもApollo Twinが使えるようになりました。そこでICONでは、Universal Audio本社のユウイチロウ“ICHI”ナガイ氏にメールでインタビュー。「Apollo Twin USB」の気になる点について質問してみました。なお「Apollo Twin USB」は2015年10月中旬発売予定で、価格はオープン・プライス(市場実勢価格:110,000円/税別)となっています。

Universal Audio - Apollo Twin USB

接続インターフェースがUSBに変わった以外、ハードウェア性能はオリジナルApollo Twinと同一

——— USBバージョンのApollo Twinを発売した理由からおしえてください。

ICHI 昨年Apollo Twinを発売して以降、“USBバージョンも出してほしい”というリクエストをたくさん貰っていたんです。ご存じのとおりApollo TwinのインターフェースはThunderboltで、Windowsプラットホームには対応していませんでしたからね。我々はそのリクエストに応える形で開発に着手し、1年以上かけてUSBバージョンの「Apollo Twin USB」を完成させました。我々は常にMacとWindowsの両方をサポートするクロスプラットホーム・カンパニーであり、今回こうして世界中のWindowsユーザーに、Apollo Twinの高音質と優れたワークフローを提供できることを大変嬉しく思っています。

——— 「Apollo Twin USB」は、インターフェースがThunderboltからUSBに変更されただけで、他の部分はオリジナルApollo Twinとまったく同一ですか?

ICHI まったく同じです。正確に言うと、「Apollo Twin USB」はApollo TwinのDuoモデルと同一であり、「Apollo Twin USB」にはSoloモデルは用意されません。インターフェース以外の部分、24bit/192kHz対応のAD/DAコンバーターや定評あるマイク・プリアンプ/DI回路、2系統のデジタル・コントロールド・アナログ・モニター・セクションなどは完全に同一です。Unisonテクノロジーにももちろん対応しています。

——— 入出力のレーテンシーに関してはいかがですか?

ICHI レーテンシーに関しても差はありません。「Apollo Twin USB」では、最大4基のUADプラグインを直列にスタックしてモニターあるいはレコーディングすることができますが、その場合のアナログ入力からアナログ出力に至るレーテンシーは、96kHz時で1.1msとなっています。この値はオリジナルApollo Twinと同一です。

——— 「Apollo Twin USB」は、USB 2.0端子に接続しても利用できますか?

ICHI いいえ。「Apollo Twin USB」は、USB 3.0端子専用です。パッケージには、USB 3.0に対応したUSBケーブルも同梱されます。

Universal Audio - Apollo Twin USB

——— 「Apollo Twin USB」は、最大10ch入力と6ch出力を同時に使用することができます。10ch入力/6ch出力程度であれば、USB 2.0のバンド幅で十分だったのではないですか?

ICHI 「Apollo Twin USB」が、単なるオーディオ・インターフェースだったらそうかもしれません。しかし「Apollo Twin USB」は、オーディオ・インターフェースであるのと同時にUADデバイスでもあります。ホスト・コンピューターとは入出力だけでなく、2基のDSPともオーディオ・シグナルのやり取りを行わなければならないのです。それだけのオーディオ・シグナルをやり取りするには、480MbpsのUSB 2.0では十分ではなく、USB 3.0の5Gbpsというバンド幅が必要でした。

——— 「Apollo Twin USB」は、Macプラットホームに対応する予定はありますか?

ICHI 現時点では対応予定はありません。なぜならここ数年発売されたMacは、すべてThunderbolt端子を装備しているため、その必要性を感じないからです。

——— 「Apollo Twin USB」は、他のUADデバイスと併用することはできますか?

ICHI オーディオ入出力を備えるFireWire接続のApolloとは併用することはできません。その他のUAD-2 Satellite FireWireや、UAD-2 PCIeカードなどとは併用することができます。

——— 最後に、この記事の読者にメッセージをお願いいたします。

ICHI 「Apollo Twin USB」は、このクラス最高の音質、独自のUnisonテクノロジー、リアルタイムUAD処理といった特徴を備え、Windowsベースの制作環境にスマートかつエレガントなワークフローをもたらす唯一無二のツールです。我々は「Apollo Twin USB」が、日本のWindowsユーザーのクリエイティブ・フローの一翼を担うツールになることを楽しみにしています。

Universal Audio - Apollo Twin USB