FEATURE
Production Story #5:YMCK『ファミリーダンシング』 〜 YMCKが語る、極上のチップチューン・ポップスの作り方 〜
今月24日、前作から約1年8ヶ月ぶりとなるニュー・アルバムをリリースしたYMCK。『ファミリーダンシング』と名づけられた新作は、いつもよりもビートが効いたダンサブルなチップチューンが8曲収録されており、メンバーいわく“YMCKなりのダンス・ミュージックを追求した”という意欲作です。7月12日には渋谷WWWで、久々のワンマン・ライブ『ファミリーダンシング・ナイト』も予定されているYMCK。そんな彼らに、新作『ファミリーダンシング』のコンセプトと、YMCKの曲作りについてじっくり話を訊いてみました。
栗原みどり(Midori Kurihara)
ヴォーカル・作曲
除村武志(Takeshi Yokemura)
作詞・作曲・編曲・プログラム・映像
中村智之(Tomoyuki Nakamura)
作曲・映像
曲を作りながら徐々に“YMCKなりのダンス・ミュージック”が見えてきた
新作のタイトルが『ファミリーダンシング』と聞いて、YMCKのダンス・ミュージック・アルバムが遂に!とかなり楽しみでした。まずは今作のコンセプトからおしえてください。
実は『ファミリーダンシング』というタイトルは、だいぶ前から温めていたんです。でも、『ダンシング』って、けっこうハードルが高いテーマじゃないですか。タイトルを見ただけでも、“YMCK、『ダンシング』なんて大きく出たな”という印象がありますし(笑)。だから、別に寝かせていたわけではなくて、なかなか手を出せないでいたんですよね……。しかしわたしたち、前作の『ファミリーデイズ』が活動開始から10年目の作品で、10年の積み重ねがあればそろそろ『ファミリーダンシング』を作れるような気がして。それで今回やってみようと。曲作りを開始したのは、『ファミリーデイズ』をリリースした直後(註:約1年8ヶ月前)だったと思います。
音楽のジャンルをアルバム・タイトルにあてたのって、今回が初めてなんですよね。
あ、言われてみればそうだね。
『ファミリーダンシング』というタイトルで、どのような内容の作品にしようと考えましたか?
最初は漠然と、“『ファミリーダンシング』というからには、やっぱり踊れる曲を作らなきゃいけないのかな〜”と思っていたんですが、いわゆるクラブ・ミュージック的な4分打ちでドンドンというのはYMCKのやることではないですし。みんなでモチーフを出し合いながら、徐々にYMCKなりのダンス・ミュージックが見えてきた感じですね。その過程はおもしろかったです。
YMCKなりのダンス・ミュージックとは?
何て言えばいいのかな……。どんなテーマでやっても結局、出来上がる曲は“YMCK節”になっちゃうわけですよ(笑)。ですから、これまでどおりYMCK節が効いているんですけど、体が勝手に動いてしまう曲というか。あとは今回、ワクワクする曲ということも考えましたね。
正直、音的にはビートを効かせた以外、いつもどおりです(笑)。
『ダンシング』ということで、やはりビートは強調されたんですね。
そうですね。他のアルバムよりはビートが効いていて、音的に違うのは本当にそれくらい。低域もけっこうガチガチに出したので、ぜひ大きい場所でプレイしてほしいなと思っています。今どきのクラブ・ミュージックと混ぜても、うまく混ざってくれるんじゃないかって。すっと混ざるとは言いませんど(笑)。
この前、ライブのセット・リストを作っていたんですが、今回のアルバムの曲だけ音圧が高くてバランスが作りづらかったんですよ(笑)。それくらいビートが効いてますね。
ビートを強調しても、YMCKらしさは失わないように心がけました。
1曲目の『Los Colores de la Vida』は、スペイン語のフレーズが印象的なグルーヴィー・ソング。
この曲と2曲目の『Neo Identity』は、中村が持ってきたモチーフがベースになっています。タイトルはスペイン語で、“カラーズ・オブ・ライフ”という意味ですね。この曲の歌詞、英語も日本語もピンとこなくて、どうしようかなと悩んでいたんですが、ちょうど習い始めたスペイン語をあててみたら見事にハマって。やっててよかったスペイン語、という感じですね(笑)。
ぼくは今回のアルバムの中ではこの曲がいちばん好きですね。メロディーが凄くいい。この曲が1曲目になるとは思ってなかったんですけど(笑)。
3曲目の『Disko Kitsch』は、“YMCK Version”とのことですが、これは?
Cyndi Seuiという10年以上前から知り合いのタイのグループがいて、ちょっと前にリミックスを頼まれたんですよ。その曲にみどりのボーカルをのせて作り直したのが、この曲なんです。
4曲目の『Time Bomb』は、みどりさんの歌声がいつもと違うような感じがしました。何だかアダルトな感じというか。
この曲はけっこう苦労しましたね。“けだるそうに歌って”とかリクエストがあって(笑)、何パターンか歌い方を変えて録り直しました。
曲が出来たのはいいんですが、どういうボーカルが正解なのか、自分でも分からなくて。でも、最終的にいい感じになりましたね。
わたし的にはこの曲がいちばん好きです。これまでのYMCKには無いタイプのワイルドな曲というか。
ワイルドにしてグラマラスな曲(笑)。みどりがこういう感じの曲が好きなことは知っていたんですよ。
本当にいい感じの曲に仕上がったので、ぜひみなさんに聴いてほしいです。あとはワイルドな歌い方をするロックの人にぜひ歌ってもらいたい(笑)。メンズ・ボーカルのこの曲、聴いてみたいですね。
誰かやってくれたらいいな(笑)。
除村さんのお気に入りは?
7曲目の『Unity』ですかね。この曲が最後に出来たんですけど、かなり苦労して。でも、今ではいちばんのお気に入りです。
全8曲という話がありましたが、YMCKのアルバムは毎作7〜9曲で、何か腹八分な仕上がりになってますよね。その分、リピートしたくなるというか。
曲数に関しては、意識してそれくらいにしているんです。個人的に曲数が多いアルバムがあまり好きではなくて……。14曲入りとかになると、“え、これぜんぶ聴かなきゃいけないの?”と思ってしまうんですよ(笑)。“長いな〜”って。別に曲がたくさん入っているからお得とも感じないですし、逆に1曲1曲の印象が薄まってしまう気がする。それにそんなに曲数を入れるとなると、ぼくらの場合は制作期間も余計にかかってしまいますし。アルバムに関しては、8曲前後で凝縮した内容にしたいと考えています。
今回、曲順に関しては悩みましたか?
そんなに悩みませんでしたね。並べてみたら、しっくりくる曲順が割とすぐに見つかったので。
音色はバスドラ以外、すべてオリジナルのソフト・シンセ“Magical 8bit Plug”
もう12年もやられているので、曲作りのフローは大体固まっている感じですか?
そうですね。わたしたちの場合は最初に3人でモチーフを持ち寄るんですよ。モチーフというのは、曲の要素となるパーツですよね。例えばコーラスとか。
それで“このモチーフでいこう”ということになったら、まずはひと回しくらいのアレンジをぼくが作ってみるんです。A、B、サビくらいまで広げてみて、どうだろう?って。そしていい感じになりそうだったら、構成をぜんぶ作ってみる。歌詞を作るタイミングは曲によってバラバラなんですけど、大体構成を広げるタイミングで作ることが多いですね。
アレンジや構成を広げるのは除村さんの個人作業になるんですよね。
そうですね。モチーフを持ち寄って、この曲でいこうというところまでは早いんですけど、そこからがけっこう時間がかかる(笑)。最後、サビを2回繰り返して終わりとか、そういう単純な構成にしたくないので、展開を作るのに試行錯誤するんですよ。2回目はどうしようとか。
構成には凄くこだわってるよね。
除村さんが作るアレンジや構成に対して、栗原さんや中村さんが注文をつけることはあるんですか?
たま〜に無責任なことを言うことはありますけど(笑)、最近はあまりないです。
アルバム作りに関して言えば、曲が8割出揃うまでは早いんですよ。でも、残りの1〜2曲をどうするかというところで凄く時間がかかる(笑)。
どういうタイプの曲が足りないのか、持ち帰って1ヶ月くらい考えてみたり。アルバムなので、全体を通して聴いたときにイメージしていた世界観がしっかり出るように……。曲がたくさん出来たからアルバムを作るというのではなくて、もう一歩踏み込んだ作品を作りたいなと思っているんです。だから曲順にも凄くこだわりますし。
そんなことをしていると、あっという間に1年以上経ってしまうんですよね(笑)。今回はモチーフ出しから完成まで1年半くらいかかりましたが、これはYMCKにとっては早い方なんです。
これは今日訊きたかったことなんですが、YMCKの曲作りで禁則ってあるんですか? あるいは逆に絶対にやることとか。
なんだろうな…… 音色に関して言えば、バスドラ以外はすべてMagical 8bit Plug(註:除村氏オリジナルのソフトウェア・インストゥルメント。無償でダウンロード可能)で、それは言ってみれば決まりみたいなものですね。
コード進行やアレンジなどで禁則は特にない?
音色で制限がある分、そこは自由にしていますね。
でも昔は4つ打ちが禁止だったよね(笑)。
そうだ、昔は4つ打ち禁止だったんですよ。いわゆるダンス・ミュージックのアレンジに振ってしまうと、結局他のアーティストと同じになってしまう感じがして。ファミコンっぽさが失われてしまう気もしますし。ずっと4つ打ちは禁止していました。
歌詞に関して言えば、ラブ・ソングはやりません。それはわたしが勝手に言っていることなんですけど(笑)。
ぼくは認めてないです(笑)。
なぜラブ・ソングが嫌なんですか?
ファミコンって、小さい頃ずっと遊んでいましたし、わたしの中では神聖なものなんですよ。本当に大好きですしね。その神聖なものに、大人になって知るようなことを混ぜたくないんです(笑)。ファミコンの音をバックに歌うんだったら、例えば勇気とか、そういう歌詞じゃないとと思っています。
YMCKにはラブ・ソングは無いんですね。
いや、実はファーストに入っていて(笑)。それは仮歌のつもりで歌ったら、それがそのままCDになってしまったからなんですけど(笑)。
禁則と言えば、音数はなるべくファミコンに近い数にしています。厳守しているわけではなくて、聴こえ方を重視しているんですけど、基本的にはファミコンと同じ音数にしていますね。
実は3枚目の『ファミリージェネシス』あたりから音数がガクンと減っていっているんです。ファーストがいちばん音数が多い。
なぜ音数を減らしたんですか?
周りに実機(註:ファミコン)でやっている人が多かったので、そういった人たちに対するリスペクトからですね。ぼくらの場合は実機で曲作りをする余裕は無いんですけど、せめてファミコン・リスペクトで音数くらいは合わせたいなって。
それで『ファミリージェネシス』で音数をかなり減らしたんですが、そうしたらネットとかで“何か音がゴージャスになり過ぎてつまらなくなった”とか書かれてしまって(笑)。たぶん、アレンジが巧くなって、いつの間にか少ない音数でもゴージャスに聴かせる術を覚えてしまったんですよね(笑)。
皮肉だよね。少ない音数でもしっかりしたアレンジになるように一生懸命パターンとか開発したのに、その結果、少ない音数でもゴージャスに聴こえるようになってしまったという(笑)。
それで分かったのは、音数をファミコンと同じにしても、時間軸に細かく音を詰め込んでしまうと豪華な印象に聴こえてしまうんだということ。縦軸に音を重ねても、時間軸には音を詰め込まない方がいいということを学びましたね。
ファミコンの音数でのアレンジって難しいと思うんですけど、何かコツはあるんですか?
とにかく楽譜を縦軸によく見ること(笑)。それで同じ音程の音を消すんです。例えば、ベースでドが鳴っていれば、上モノのドは消すとか。Cのコードを鳴らす場合、ドが鳴っていればソは要らないとか、いろいろあるんですよ。やっぱりアレンジって、縦方向で見ないとダメなんですよね。メロディーやフレーズの方に意識を取られて、いつの間にか気持ち悪い重なりになっていることがよくあるんです。チップチューンだと、その気持ち悪い重なりが凄く目立ってしまうんですよ。
YMCKの音楽は、100%ノン・リバーブ
除村さんの現在の制作環境についておしえてください。
パソコンはApple MacBook Air 13インチ・モデルで、DAWはApple Logic Proですね。Logicはバージョン6から使っていて、今はまだ9なんですけど、アルバム制作がひと段落ついたので、そろそろXにしようと思っています。ちなみにライブではAbleton Liveを使っていて、それは安定性が高いからですね。Logicはシステム・オーバーロードが怖かったりするんですけど(笑)、Liveが止まるということはほぼ無いですし、ループなんかも作りやすいですから。
オーディオ・インターフェースは?
EdirolのUA-25ですね。USB接続のそんなに高くないやつです。あとは鍵盤とスピーカーがあるくらいで、こじんまりとしていますね。
みどりさんの歌は、除村さんの自宅で録音されるんですか?
そうです。マイクはAKG C2000で、それをUA-25にそのまま繋いで。C2000はコンデンサー・マイクで、比較的リーズナブルな製品ですね。
みどりさんの歌声、独特な質感ですよね。
そうかもしれないですね。でも、Logic標準のコンプレッサーとEQをかけるだけで、特別な処理は何もしていません。コンプレッサーを少し強めにかけるくらいですね。
わたし、最初からエフェクトがかかっているような声なんですよ(笑)。
さっきの禁則じゃないけど、ボーカルにリバーブをかけないというのは決まりかもしれないね。
そうだ、それは特別かもしれない。
なるほど、ボーカルはノン・リバーブなんですね。
リバーブをかけると、一気にファミコンっぽくなくなってしまうんですよ。だからオケもノン・リバーブなんです。オケだけリバーブをかけてもおかしなことになってしまうので。
ではYMCKの音楽は100%ノン・リバーブ。
ですね。そう言っていいと思います。
普通はあり得ないと思うんですけど、もう慣れてしまいました(笑)。
ボーカルに関して、ピッチの修正や編集はされるんですか?
Auto-Tuneのケロケロ・ボイスにしたりはしませんけど、ピッチは直します。あとエディットもけっこう細かくやりますね。ノン・リバーブなので、ちょっとしたタイミングのズレが目立っちゃうんですよ。
コーラスは実際に重ねて?
必ずダブルで歌ってもらうので、けっこう重ねてますね。ハーモニーに関しては、実際に歌って重ねることもありますし、ソフトでピッチ・シフトして作ることもあります。広がり感が欲しいときは歌い分けてもらったり。
Logicのトラック数はどれくらい使うんですか?
オケに関しては、上モノは3〜4トラックしか使ってないんですけど、ドラムは音色によってトラックを分けているので、ぜんぶで12トラックくらいですね。そしてボーカルは15トラックくらい。ドラムと同じで、ボーカルに関してもエフェクトのかかりやパンの振りが違うやつはトラックを分けてしまうので。だからトータルで30トラックいくかいかないくらいです。
そして音源に関しては、キック以外はすべてMagical 8bit Plugと……。
そうです。キックに関しては音が作りづらいというのがあって、ファミコンもサンプリング・チャンネル(註:DPCM)を1ch積んでいますし、1音くらいサンプルを使ってもいいかなと(笑)。具体的にはLogic標準のEXS24で、ありもののサンプルを鳴らしています。
Magical 8bit Plugは、いつ頃から使い始めたんですか?
ファーストのときはまだ無かったので、2枚目の『ファミリーレ−シング』からですかね。
自らオリジナルのチップチューン音源を開発したというのは?
ファーストは普通のシンセと、ファミコンのエミュレーターを使って作ったんですよ。でも、エミュレーターは使うのが面倒で、あと法律的にもどうなんだろうと思って。それだったら自分で専用の音源を作ってしまおうと。あの頃は勢いがありましたね(笑)。
Magical 8bit Plug、意外と音色のバリエーションは広いですが、使う音色は決まっている感じですか?
大体決まってますね。ベースは三角波と決まっていますし、上モノは矩形波かパルス波にするしか選択肢はないので。あとは曲に合わせてディケイを調整するくらいです。
Magical 8bit Plugにかけるエフェクトは?
エフェクトはかけません。Logic標準のEQで少し補正するくらいです。
ではYMCKのオケは、Magical 8bit Plugだけでほぼ完コピできるということですね。
そうですね。ですからYMCKの音楽って、もの凄く安価に作られているんですよ(笑)。
作り込みは大変だけどね。
Magical 8bit Plug、Windows版の64bit対応など、これからアップデートの予定はありますか?
昨日も同じことを訊かれたんですけど(笑)、開発をやめたわけではないので、いずれアップデートするかもしれません。一時期、UIを実装することも検討したんですが、とにかく時間が無いんですよね。
チップチューンを聴いたり、作ったりする若い人が増えているのは嬉しい
チップチューン、ここ1〜2年で何度目かの盛り上がりがきている感じがしますね。TORIENAちゃんみたいな若いスターも登場していますし。
盛り上がってるといいんですけど(笑)。ぼくらはチップチューンをもっともっと多くの人たちに聴いてほしいと思っていて、昨年『Chip Union』というWebサイトを立ち上げたんです。確かに最近はチップチューン関連の情報が増えている気がするんですが、それは『Chip Union』のためにアンテナの感度を上げているからなのか、それとも本当に盛り上がっているからなのか、判断がつかない(笑)。でも確実に感じるのは、チップチューン好きの若い人が増えているなということ。懐かしさだけでチップチューンを聴いている人ばかりだと、みんな歳をとったら終わりになってしまうので(笑)、チップチューンを聴く若い人たちが増えているのは嬉しいですね。Facebookにチップチューン好きが集うグループがあるんですけど、そのメンバーも3,000人を超えていますから。日本だけでなく、ワールドワイドに増えている感じがします。
最近は若い子が、ドット絵を“かわいい”と言ってくれるので。やっぱり世代を超えた魅力があるんだなと感じています。
チップチューンを追いかけている人から、聴く人だけでなく作る人も増えているという話を聞きました。それとチップチューンって、Bandcampと相性がいい気がしていて。チップチューンの人って、ひとりでチマチマ作って、完成したらすぐにネットにアップしちゃうじゃないですか。そういうノリとBandcampって相性がいいんですよ。投げ銭とかフリーとか、自由に価格設定できますし、リリースの制限も無いじゃないですか。
そもそもYMCKのみなさんは、自分たちがやっている音楽がチップチューンだと思っているんですか?
うーん…… 思ってます(笑)。まぁ、ワン・オブ・ザ・チップチューンですよね。ひとくちにチップチューンと言っても、本当にいろいろあるので。ゲームボーイでやるチップチューンもありますし、80年代からMOD Trackerでやっているのもチップチューンですし、拡張音源ドカ盛りで“それ、もうファミコンじゃないんじゃない?”というのもチップチューンですし(笑)。ぜんぶまとめてチップチューン。結局、手段はどうでもよくて、レトロ・ゲーム・リスペクトの音楽かどうかということなんだと思います。
最近お気に入りのチップチューンのアーティストをおしえてください。
Tappyさん、いいよね。
Tappyさん、いい! 最高。あの人、実機なんだよね。
そう。マニアックに音源を使い倒す人で、ファミコンの拡張音源を使うときもあれば、X68000を使うときもありますし。
とにかく曲のクオリティが半端なくて、ポップス っぽい曲もやるときもありますし、何でも作れる人ですね。あとは最近ではないですけど、やっぱりSaitoneさんはいいなって。あの人の曲って、誰が聴いてもすぐにSaitoneさんって分かるんですよ。チップチューンって基本的に音色が同じですから、個性を出すのって難しいと思うんですけど、Saitoneさんの曲は本当にすぐ分かる。あの個性は凄いなと思ってます。他にはなかなかいないですよね。
Saitoneさん、キックのポイントが独特だよね。キックを置く位置が絶妙。
リズムが全体にトリッキーなんだよね。曲そのものもストイックな感じで凄くいい。
海外のアーティストでは?
トロピカルなラテンの曲をやっているVince Kaichanというカリフォルニアのアーティストがいるんですけど、それはこれまでに聴いたことがなかったタイプのチップチューンで、かなり好きです。
ロシアのUbiktuneというレーベルから出ているアーティストはみんなクオリティ高いですね。けっこう注目しています。
気が早いですが、次はどのようなアルバムになりそうですか?
実はもう次のアルバムのタイトルは決まっているんです(笑)。
心の中でね(笑)。
ぜひ楽しみにしてください!
YMCK最新情報:
● 6月24日 6th Album『ファミリーダンシング』リリース
● 6月24日 『ファミリーダンシング』からの最初のミュージック・ビデオ『You Can Be a Star』公開
● 7月12日 東京 渋谷WWW ワンマン・ライブ『ファミリーダンシング・ナイト』開催
● 7月26日 大阪 心斎橋CONPASS not recordsショウケース出演(出演:DE DE MOUSE、Phoenix and the Flower Girl、YMCK)
詳しくは、YMCKオフィシャルWebサイトをご覧ください。